平成25年度活動報告 
 

特定非営利活動法人    

                             アジア高等教育支援機構

 1.   ラオスロボットコンテストのための第1回ワークショップの開催

平成25年8月、ラオスロボットコンテストのためのワークショップが開催された。当NPOから2名が参加した。今回のワークショップ開催の目的は、ロボットに関する基礎知識を修得することのみならず工学的幅広い知識を修得することである。特に今年度はサッカー試合用のボールに赤外線発光ボールを使い,一段と高い技術レベルが要求される.小峰憲行理事が赤外線センサを含めたマイクロコンピュータに関する基礎知識について講演した。またロボットの製作については当NPOが委嘱した畠山忠男氏が講義を行った。


           日時: 平成25年8月14日ー15日

           場所: ラオス国立大学工学部

           参加者: 20名

        参加校:10校
 

           当NPOより寄付授与式

           寄付金: 48,000円

           寄付目的:サッカー試合用赤外線発光ボール購入費



赤外線センサ付サッカーボールの贈呈式 

 ワークショップ風景1     
 
ワークショップ風景2 
  
 
2.   ラオスロボットコンテストのための第2回ワークショップの開催
ラオスロボットコンテストワークショップにおける技術指導成果
  組込みマイクロコンピュータの応用技術を応用した「サッカー競技ロボット」製作についての指導を行った。 主に組込みマイクロコンピュータの組込みソフトウェア開発についての技術指導を実施した。その結果、ラオス国立大学学生と高等技術専門学校学生への組込み技術の向上に寄与した。 当から1名が参加した。今回のワークショップ開催の目的は、ロボット製作に必要な知識について、小峰憲行理事がマイクロコンピュータに関する応用知識について講演し,またロボットの製作については当NPOが委嘱した畠山忠男氏が講義を行った。


           日時: 平成26年1月3日ー4日

           場所: ラオス国立大学工学部

           参加者: 40名
        
        参加校: 12校
 

 

 ワークショップ風景1     
 
ワークショップ風景2 


 
3. 第11 回ラオスロボットコンテストの開催 

昨年度に引き続き新たな技術を習得するということから無線制御のロボットで,1組が3台のロボットを使用してサッカーゲーム大会を行なった.今大会も駐ラオス日本国大使,JICA所長,ラオス教育省高等局次長,他の臨席も賜り,多数の教職員,大学生,および近隣の小学生が観戦し,非常に盛会であった.当NPOからベストデザイン賞を寄贈した.また部品代および商品代等を支援した当には感謝状が授与された.

    開催日時: 平成26年3月14日

    開催場所: ラオス国立大学工学部

    参加校: 12チーム(8校)

    参加者: 教員およびラオス大学学生,近隣の小学生100名,計300名

来賓: 駐ラオス日本国大使,JICAラオス事務所所長,ラオス文部省高等教育部長,当NPO理事(飯島,森屋,有賀),他

    当NPOより寄付金: 技術賞13,000円(現地価1,000,000Kip)

    

                   

  サッカーロボット大会風景                                  サッカーロボット大会対戦風景


 

Vientiane Times に掲載されたロボットコンテストの記事

      

ラオス国立大学より当NPO への感謝状
  



第11回ロボット大会案内パンフレット
 4. 研究指導
(1) 森屋俶昌理事による研究指導活動 

指導研究テーマ

大学院修士生の研究テーマ設定についての指導

出張期間

2014年3月10日-2014年3月15日 (6日間)

カウンターパート名

電子・通信専攻のソウシソムバス カンプイ助教授、ドンキョウ ラカンチャン講師、ドンサモン ペソムホウ講師

指導内容

電子・通信工学専攻に今年度より大学院修士課程が開設され,新入学生16人が許可され,そのうち5名が通信分野の研究を希望しているので,研究施設の少ない環境の中で、どのような研究テーマを設定し,成果を上げるかを担当者と議論した。
 修士課程の現状
 電子工学系の修士課程学生はIT系、電子系、通信系に分けられ、通信には5人の学生
が在籍している。修士論文の指導は3人の教員が分担する。研究テーマは

1.気象衛星NOAAの受信
 ラオス自国の技術による、気象衛星からの信号を受信し画像解析を行う研究である。
おそらくラオスにおける最初の装置製作から、データ解析までの高度な研究課題である

2.ラオスにおける降雨減衰の計測と解析
 雨期における降雨量は、観測データより南部地方が特に強い。Kuバンド以上の周波数
帯では大きな降雨減衰が発生する。高性能の雨量計を設置して、衛星回線に対する減衰
特性の解明を行う。

3.衛星通信伝播路に見られるシンチレーション現象の解明
 現在、衛星通信には小口径アンテナが広く使用されている。そのためシンチレーション現象により信号の劣化が起こる。ラオスにおける特性を解明して対策を提言する。

4.大気雑音による衛星通信の問題点の解明に関する研究
 ラオスは大気中の湿度が極めて高い国である。気温が高く湿度が高いと大気中の雑音が上昇する。衛星通信の信号対雑音比が低下するので障害が発生する。障害軽減の対策を行う研究である。

5.Kuバンド衛星通信に見られる電波伝搬現象の研究
 小口径アンテナを使用した衛星回線には伝播路上に存在する、大気中の気象現象により安定した通信が阻害されることが生じる。ラオスで測定されたデータを使用して、良好な通信回線を売るための理論解明を行う。
この研究は主として既存データによる伝播特性の解析手法を指導していく。

今後期待される成果

研究用機材が少なく,研究を遂行するには大きな困難が考えられるが,日本から機材を提供するなどして出来る限りの研究支援をしていく予定である。

備考

ラオスに滞在中KMITLのWiboon先生から新設の大学院の講義を担当し,ラオス大学の教員がそれを聴講し,次年度から自分達で講義をするため準備をしていた。

 

(2) 飯島敏雄理事による研究指導活動

 

指導研究テーマ

電気自動車(EV)設計製作の指導

出張期間

2013年6月10日-2013年6月24日 (14日間)

2013年10月20日-2013年10月27日 (8日間)

2014年1月7日-2014年1月14日 (8日間)

カウンターパート名

機械工学科:Assoc. Prof. Korakanh Pasomsouk,

同上:   Assoc. Prof. Sengratry Kythavone

電気工学科:Assoc. Prof. Vansay Meksarik

情報工学科:Assoc. Prof. Sayphone Houngbounyuang

電子工学科:Instructer, Mr. Sipaseuth Suvilath

指導内容

日本政府は電気自動車(EV)の導入をラオス政府に提案している.このような背景からラオス大学でEVに関する知識、技術を持ったエンジニアを予め育成しておくことは非常に有益なことと考えられるので,ラオス大学工学部(FE-NUOL)でEVの設計製作を教員および学生で行うことになった.
 そこで,FE-NUOLの機械工学科,電気工学科,電子工学科および情報工学科が協力してEVを設計製作するプロジェクトの指導をするためにラオス大学を3度訪問した.今回は上記のような日程でEVに関する英文テキストを中心にして,EVおよびその製作に関する講義を行うとともに設計製作を指導し,ラオス人により初めてのEVが製作された.またこの設計製作を通じてこれに携わったFE-NUOLの教員および学生はEVの設計製作法を習得することが出来た

今後期待される
成果

(1)EV技術を習得した教員はEVに関するテキストを作り,それとEVを使えば,FE-NUOLの学生にEV教育が出来る.

(2)EVには太陽電池やGPSも付いており,製作されたEVは製作に関与した4学科で研究に使用することが出来る.

(3)FE-NUOLはEVワークショップなどを開催し,他の大学や高専の教員にEVの技術移転をすることが出来る.

備考

今後の研究等についての意見交換はメールで行う.

 
        

      電気自動車の製作風景                    ラオスで製作されたラオス初の電気自動車