平 成 2 3 年 度 活 動 報 告

1. ラオスロボットコンテストのためのワークショップの開催  
  
  これまでのロボットは有線制御のロボット玉入れ大会などを行ってきたが,今年度は新たな技術を習得するということから無線制御のロボットで,1組が3台のロボットを使用してサッカーゲーム大会を行うことになった.ワークショップは下記の通り実施され,参加者に無線技術の基礎と制御プログラムの作成法の指導が行われた.当NPOからはロボット製作に使用するモータとドライバを30組寄贈した.なおこのワークショップの様子は地元の英字新聞Vientaine Timesに掲載された 

  日時: 8月8日および9日
  場所: ラオス国立大学工学部
  参加校: 6校
  参加者: 教員および学生計20名
  当NPOより寄付金: モータ購入48,000円
  当NPOより参加者: 2名


 
当NPOからのモータの寄贈式 ワークショップ風景




                      現地英字新聞 Vientiane Times に掲載された記事



2. 第9回ラオスロボットコンテストの開催
 
 今年度は新たな技術を習得するということから無線制御のロボットで,1組が3台のロボットを使用してサッカーゲーム大会を行なった.今大会はラオス国立大学創立15周年記念行事の一つとして開催され,駐ラオス日本国大使,JICA所長,ラオス外務省アジア・太平洋局長他の臨席も賜り,多数の教職員,学生が観戦し,非常に盛会であった.当NPOからは表彰代として10000円を寄贈した.なお,当大会の様子は地元の英字新聞Vientaine Timesと現地語新聞に掲載された.

  日時: 11月2日
  場所: ラオス国立大学
  参加校: 9校
  参加者: 教員および学生計500名
  当NPOより寄付金: 技術賞10,000円
  当NPOより参加者: 3名
   
   
ロボット大会対戦サッカーコート 
ロボット大会対戦風景
 
 ロボット大会対戦風景
駐ラオス日本国大使(中央左),他VIPの観戦
 
 表彰式

当NPOからの技術賞を受けたルアンパバン大学
 
 


                

ラオス国立大学より当NPOへの感謝状



                

現地英字新聞 Vientiane Times に掲載された記事


                

現地語新聞 に掲載された記事




3. 研究指導
3.1 ラオス国立大学    

        
(1)機械工学科教員への研究指導

出張者/研究
指導者

特定非営利活動法人アジア高等教育支援機構 
理事長 飯島敏雄

指導研究テーマ

バイオマスによる発電に関する研究

出張期間

20111030日−2011118日 (10日間)

業務日程

年 月 日

業 務 内 容

2011/10/30()

移動:成田―バンコク―ビエンチャン

2011/10/31()

センラトリ准教授に研究指導

2011/11/1()

同上

2011/11/2()

ロボット大会見学

2011/11/3()

センラトリ准教授に論文発表指導

ラオス大学主催国際シンポジウム参加

2011/11/4()

センラトリ准教授に研究指導

ラオス大学創立15周年記念式典参列

2011/11/5()

センラトリ准教授に研究指導

2011/11/6()

研究指導資料整理

2011/11/7()

センラトリ准教授に研究指導

移動:ビエンチャン−バンコク

2011/11/8()

移動:バンコク−成田

カウンターパート名

機械工学科 センラットリ准教授 

指導内容

研究指導
 ラオスは国土の約75%が山岳でその森林を良好な状態に保つには不要な木や枝の間伐を行う必要があり,その際多量の間伐材が出るので,それを有効活用するためにセンラットリ准教授は,木材,や木炭およびトウモロコシの芯など各種バイオマスを酸素不足状態で燃焼させ,その際発生する一酸化炭素,水素,メタンなどの可燃ガスを収集して,発電機の付いたエンジンを駆動して電力を得ようとする研究を行っている.この研究は今年3月より始め,実験装置をほぼ完成させ,現在は先ず研究の第一段階として,各種バイオマスによって得られる可燃ガスがどのように異なるか基礎的に研究していたので,その結果を整理し,発表資料を作る指導と共に今後の研究の進め方について討論した.なおこれまでの研究成果のまとめは別紙の通りである.

今後期待される
成果

センラットリ准教授はバイオマスガスによる発電,太陽熱エネルギー利用などいくつかの研究テーマを学生と共に精力的に取り組んでいる.今回指導したバイオマスによる発電は昨年の訪問時の終わりにヒントを与えたら,大学に新研究として予算を申請して採択され,それによって早速実験装置を作り,基礎データを取り始めているのには非常に驚かされた.この研究にはガス分析装置が必要でそれを次年度申請すると計画しているのでそれが採択されることを期待している.

備考

今後また新結果が得られたらメールで意見交換する.



図1 センラットリ准教授と筆者

 


 図2 センラットリ准教授と実験装置


 図3 ガス発生炉で実験をする学生



図4 ラオス大学で発表するセンラットリ准教授

 センラットリ准教授の研究発表(クリックしてください)



(2)電子工学科教員への研究指導

出張者/研究指導

NPOアジア高等教育支援機構 副理事長 森屋俶昌

指導研究テーマ

大気雑音による衛星電波伝搬に関する研究

出張期間

20111030日―2011119日(11日間)

業務日程

年 月 日

業 務 内 容

2010/10/30()

移動:羽田−バンコク

2010/10/31()

移動:バンコクービエンチャン

2010/11/1()

工学部長、JICA専門家平藤常夫氏、JICAラオス事務所戸谷幸一氏と会合。

ドンサモン先生と準備中の大学院進捗状況の説明を受ける。

2010/11/2()

当機構が支援するロボット大会に参加(ドンドック校舎)

2010/11/3()

研究指導:ドンキョウ先生から研究の経過を聞く。測定データを点検。

2010/11/4()

大学設立15周年に参加。ラオス外務省アジア太平洋、アフリカ局副大臣ソンポン氏と面会。サイコン副学長と会合。

2010/11/5()

研究指導:カンプイ先生、ドンキョウ先生と今後の研究に関する打ち合わせ

2010/11/6()

日本から送った研究器材の開封。測定器の取り扱い。従来の測定方法との相違を説明

2010/11/7()

研究指導:ドンキョウ先生と研究に関した討論

2010/11/8()

移動:ビエンチャン−バンコク

2010/11/9()

移動:バンコク−成田

カウンターパート名

電子工学科カンプイ准教授 

同上   ドンキョウ講師 

指導内容

1.201012月ラオスで行われた国際学会での発表論文の再検討。論文の図中に誤解を招く箇所の討議。

2.最近の衛星受信装置は雑音指数が極めて低くなり、小口径アンテナで衛星からの電波が容易に受信出来る。その為、大気中に存在する水蒸気などにより雑音が増加する。ラオスでは雨期特に       湿度が高く衛星信号に雑音が増える。雑音レベルを正確に測定し対策を考える為の指導。

3.正確なデータを得るための測定方法を説明。

4.大学院学生の研究テーマとしての取り扱いを指導。

今後期待される成果

研究指導に間に合うように、日本から国際スピード郵便〔EMS〕で測定機材を送ったが、帰国する前週の金曜日遅くに荷物が到着したとの連絡が大学に入った。しかし、荷物は月曜日でないと渡せないとのことだった。新しい測定器による実験は今回出来なかった。今後、測定機材等を送る時は2ヶ月間以上の余裕を持たねばならない。なるべく早い時期に再度訪問し、到着した機材を使っての研究指導をしたいと考えている。

備考

2012年10月29日から11月2日まで名古屋で開催される2012 International Symposium on Antennas Propagation (ISAP2012) の国際シンボジュームで発表するための論文を準備している。






カンプイ准教授(中央)に研究指導


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